鶏肉:せせり

鶏肉:部位

「せせり」は、近年、焼き鳥屋や居酒屋だけでなく、スーパーマーケットでも見かける機会が増え、家庭料理の食材としても人気が高まっている鶏肉の部位です。

その独特の食感と濃厚な旨味は、一度食べると病みつきになるとも言われます。この魅力的な部位「せせり」について、その正体から美味しい食べ方、選び方、保存方法に至るまで、詳しく掘り下げて解説していきます。

1. はじめに:せせりとは何か?

定義: せせりは、鶏の**首周りの肉(頚肉)**を指します。首の骨から肉を「せせる(方言で『ほじくり出す』の意)」ようにして取ることから、この名前が付いたと言われています。

別名: 地域や店舗によっては、「ネック」「首肉(くびにく)」「小肉(こにく)」「そろばん」などと呼ばれることもあります。特に「ネック」は英語表記 (Neck) からも分かりやすく、広く使われています。

希少部位: 鶏一羽から取れる量が非常に少ないため、希少部位とされています。一般的に、鶏一羽(約1.5kg~2kg)から取れるせせりの量は、わずか数十グラム(多くても100g未満)程度です。もも肉やむね肉に比べると格段に少ないことが分かります。この希少性が、せせりの価値を高める一因にもなっています。

人気の理由: せせりの最大の魅力は、その独特の食感と濃厚な旨味にあります。筋肉質でありながら適度な脂も含まれており、「プリプリ」「コリコリ」とも表現される弾力のある歯ごたえと、噛むほどに溢れ出す鶏肉本来の強い旨味が特徴です。焼き鳥や炒め物など、シンプルな調理法でもその美味しさを存分に楽しむことができ、多くの食通を唸らせています。

2. せせりの部位と特徴

部位の詳細: せせりは、鶏の首(頚部)の骨に沿って付いている細長い筋肉です。鶏は餌をついばんだり、周囲を見渡したりするために、首を非常によく動かします。そのため、首周りの筋肉は常に使われており、非常に発達しています。

筋肉質で弾力がある理由: この「よく動かす部位」であるという点が、せせりの独特の食感を生み出す最大の理由です。筋肉繊維がしっかりと引き締まっており、強い弾力性を持っています。これが、噛んだ時の「プリプリ」「コリコリ」とした歯ごたえにつながります。

見た目の特徴:

形状は細長く、やや不規則な形をしています。鶏の首に沿うように付いているため、一本一本の大きさや形にはばらつきがあります。

肉質は赤みが強く、筋肉繊維がはっきりと見えることがあります。

部位によっては、細かい筋や、小さな軟骨(首の骨の一部)が残っている場合があります。

筋肉の間には適度な脂肪(脂)も含まれており、これが焼いた時のジューシーさや旨味の源となります。

含まれる栄養素:

タンパク質: 筋肉の部位であるため、良質なタンパク質が豊富に含まれています。筋肉や体の組織を作る上で欠かせない栄養素です。

脂質: もも肉ほどではありませんが、むね肉やささみに比べると脂質は多めです。この脂質が、濃厚な旨味とジューシーさを生み出しています。脂質の種類としては、不飽和脂肪酸も含まれます。

ビタミン類: ビタミンB群(特にナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12など)が含まれます。これらはエネルギー代謝や神経機能の維持に関わる重要なビタミンです。

ミネラル類: 鉄分や亜鉛なども含まれています。

カロリー: せせりのカロリーは、100gあたり約200kcal前後とされています(調理法や個体差、脂の量によって変動します)。これは、鶏むね肉(皮なし、約110kcal)やささみ(約105kcal)よりは高く、鶏もも肉(皮付き、約200kcal~250kcal)と同程度か、やや低い程度です。脂質が含まれるため、ヘルシーさを最優先する場合はむね肉やささみが適していますが、旨味や食感を重視する場合には魅力的な選択肢となります。

3. せせりの味わいと食感

せせりの魅力は、他の鶏肉部位とは一線を画す独特の味わいと食感にあります。

味の特徴:

濃厚な旨味: 鶏肉の中でも特に旨味が強い部位とされています。よく運動する筋肉にはアミノ酸などの旨味成分が豊富に含まれており、噛みしめるほどに鶏肉本来の濃い風味が口の中に広がります。

適度な脂の甘み: 筋肉の間に入り込んだ脂肪分が、加熱されることで溶け出し、ジューシーさと甘み、コクを加えます。この脂が旨味と合わさることで、深みのある味わいを生み出します。

鶏肉らしい風味: 癖は少なく、純粋な鶏肉の美味しさをしっかりと感じられます。

食感の特徴:

強い弾力: 最大の特徴であり、「プリプリ」「コリコリ」「シコシコ」など、様々なオノマトペで表現されます。引き締まった筋肉繊維が生み出す、心地よい歯ごたえがあります。

ジューシーさ: 弾力がありながらも、加熱してもパサつきにくく、適度な脂によってジューシーな食感が保たれます。

部位による違い: 一本のせせりの中でも、部位によってやや食感が異なることがあります。筋に近い部分はよりしっかりとした歯ごたえがあり、脂が多い部分はよりジューシーさを感じられます。

他の部位との比較:

もも肉: ジューシーで旨味もありますが、せせりほどの強い弾力はありません。より柔らかい食感です。

むね肉: 脂肪が少なく淡白な味わいで、加熱しすぎるとパサつきやすいです。食感はしっとり系またはパサつき系。

ささみ: むね肉以上に脂肪が少なくヘルシー。柔らかく淡白な味わいです。

ぼんじり (テール): 非常に脂が多く、とろけるようなジューシーさと独特の旨味がありますが、食感は柔らかめです。

砂肝: 非常に強いコリコリとした食感が特徴ですが、筋肉というよりは筋胃の部位であり、味わいは淡白です。
せせりは、これらの部位の「良いとこ取り」と表現されることもあり、しっかりとした歯ごたえ(弾力)と濃厚な旨味、そしてジューシーさを兼ね備えたバランスの良さが魅力と言えます。

4. せせりの下処理方法

せせりは、購入した状態によっては簡単な下処理をすることで、より美味しく安全に食べることができます。特にスーパーなどでパック詰めされているものは、ある程度処理されている場合もありますが、確認と一手間を加えるのがおすすめです。

基本的な下処理の必要性:

筋(スジ): 硬い筋が付いていることがあり、加熱するとさらに硬くなり食感を損ねるため、取り除くのが望ましいです。

軟骨: 首の骨から肉を剥がす際に、小さな軟骨片が残っていることがあります。食べられないことはありませんが、口当たりが悪いため取り除くと良いでしょう。

薄皮: 気になる場合は取り除きますが、そのままでも食べられます。取るとより洗練された食感になります。

余分な脂: 白っぽい脂肪の塊が付いていることがあります。旨味の元でもありますが、多すぎると脂っこく感じたり、焼いた時に煙が出やすくなったりするため、好みで取り除きます。

臭み: 新鮮なものであれば気になりませんが、もし鶏肉特有の臭みが気になる場合は、下処理の段階で対策します。

具体的な手順:

洗浄 (任意): 気になる場合は、さっと水で洗い、キッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取ります。洗いすぎると旨味が流れてしまうので注意。

筋・硬い部分の除去: せせりをまな板に広げ、指で触って確認しながら、白っぽく硬い筋や、明らかに硬そうな部分を包丁で切り取ります。筋に沿って包丁を寝かせるように入れると取りやすいです。

軟骨の確認と除去: 指で触って、コリコリとした硬い感触がないか確認します。もし小さな軟骨があれば、包丁の先や手で取り除きます。骨の周りの肉なので、念入りにチェックしましょう。

薄皮の処理 (任意): 表面についている半透明の薄い皮を、指でつまんで剥がします。滑りやすいので、キッチンペーパーを使うと剥がしやすいです。必須ではありません。

余分な脂の除去 (任意): 大きな脂肪の塊があれば、包丁で切り取ります。脂身が好きな方はそのままでもOKです。

臭み取り (任意): 臭みが気になる場合は、塩や酒を少量揉みこんでしばらく置き、出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取ると効果的です。生姜のすりおろしを少量加えるのも良いでしょう。

カット: 調理法に合わせてカットします。

焼き鳥・串焼き: 3~4cm程度の長さに切り、蛇腹状になるように(または縮むことを見越してやや長めに)串に刺します。

炒め物・唐揚げなど: 一口大(2~3cm程度)に切ります。

下処理のポイントと注意点:

触って確認: 見た目だけでは分かりにくい筋や軟骨もあるため、必ず指で触って確認することが重要です。

取りすぎに注意: 旨味のある脂や、食べられる程度の筋まで神経質に取り除く必要はありません。食感を損ねる硬い部分を重点的に処理しましょう。

包丁はよく切れるものを: 筋や皮は滑りやすいため、よく切れる包丁を使うと安全かつ綺麗に処理できます。

まな板・包丁の衛生管理: 生肉を扱った後は、まな板や包丁、手指をしっかりと洗浄・消毒しましょう。

5. せせりの美味しい食べ方・調理法

せせりはその食感と旨味を活かせる様々な調理法で楽しめます。火を通しすぎると硬くなりやすいですが、適度な脂があるため比較的調理しやすい部位でもあります。

焼き物 (一番人気!): せせりの魅力を最も引き出す調理法と言えます。

塩焼き: シンプルに塩、こしょうで味付けし、グリルやフライパンで焼きます。素材本来の旨味と香ばしさをダイレクトに味わえます。レモンや柚子胡椒を添えるのが定番。

タレ焼き: 甘辛い醤油ベースのタレ(焼き鳥のタレなど)に漬け込んでから焼きます。濃厚な旨味とタレが絡み合い、ご飯が進む味になります。七味唐辛子もよく合います。

炭火焼き: 炭火で焼くと、余分な脂が落ち、独特の香ばしさが加わり、格別の美味しさになります。焼き鳥屋の味を再現するなら炭火が理想。

フライパンでの焼き方: フライパンに少量の油(または油なしで、せせり自身の脂を利用)を熱し、中火~強火で焼き色をつけながら焼きます。皮目(あれば)から焼くとカリッと仕上がります。焼きすぎると硬くなるので注意。蓋をして蒸し焼きにすると中まで火が通りやすくなります。

串打ち: 焼き鳥にする場合、せせりは縮みやすいので、少し波打つように蛇腹状に刺すか、やや詰めて刺すと良いでしょう。

炒め物: 強い弾力は炒め物にもよく合います。

野菜炒め: キャベツ、もやし、玉ねぎ、ピーマン、ニラなど、お好みの野菜と炒め合わせます。せせりの旨味が野菜に移り、美味しく仕上がります。味付けは塩こしょう、醤油、オイスターソースなど。

ネギ塩炒め: 刻んだ長ネギ、ごま油、塩、こしょう、レモン汁などで味付けした、さっぱりとしつつも旨味のある一品。おつまみに最適です。

ガーリック炒め: ニンニクのスライスやみじん切りと一緒に炒め、醤油やバターで風味付けします。食欲をそそる香りです。

キムチ炒め: 豚肉の代わりにせせりを使ったキムチ炒め。せせりの食感とキムチの辛味・酸味がよく合います。

火加減のコツ: 炒め物は強火で短時間で仕上げるのがポイント。野菜のシャキシャキ感とせせりのプリプリ感を両立できます。

揚げ物: 衣をつけて揚げることで、ジューシーさを閉じ込めます。

唐揚げ: 醤油、酒、生姜、ニンニクなどで下味をつけ、片栗粉や小麦粉をまぶして揚げます。弾力のある食感の唐揚げになり、冷めても比較的美味しいです。

天ぷら: 意外な組み合わせかもしれませんが、天ぷらにしても美味しいです。塩でシンプルにいただくのがおすすめ。

煮物・汁物: せせりから良い出汁(旨味)が出るため、煮込み料理やスープにも向いています。

煮込み: 甘辛く煮付けたり、トマト煮込みなどに。煮込みすぎると硬くなる可能性があるので注意が必要ですが、旨味はしっかり出ます。

スープ・鍋物: 鶏だしを取る要領で、他の野菜などと一緒に煮込みます。良いスープベースになります。水炊きや寄せ鍋の具材としても。

親子丼: 鶏もも肉の代わりに使うと、食感のアクセントがある親子丼になります。

その他:

アヒージョ: ニンニクとオリーブオイルで煮込むアヒージョの具材としても人気。せせりの旨味がオイルに溶け出します。

炊き込みご飯: 細かく切って、他の具材と一緒に炊き込みご飯にすると、ご飯に旨味が染みわたります。

パスタの具材: 炒めてパスタソースの具材にするのもおすすめです。

調理の際の注意点:

火の通し加減: 加熱しすぎるとせっかくのジューシーさが失われ、硬くなってしまいます。焼き物や炒め物は、中まで火が通りつつも焼きすぎないタイミングを見極めるのが重要です。

縮み: せせりは加熱すると縮みやすい性質があります。串焼きやカットする際は、縮む分を考慮すると良いでしょう。

6. せせりの入手方法と選び方

以前は精肉専門店や焼き鳥屋でないと手に入りにくい部位でしたが、近年は一般的なスーパーマーケットでも見かけることが増えました。

どこで買えるか:

スーパーマーケット: 鶏肉コーナーでパック詰めされて販売されていることがあります。ただし、常時置いているとは限らず、店舗や時期によって取り扱い状況は異なります。

精肉店・鶏肉専門店: 高い確率で取り扱っています。対面販売であれば、状態を確認しやすく、下処理について相談できる場合もあります。

オンラインストア: 鶏肉専門のオンラインストアや、一部のネットスーパーでも冷凍品を中心に購入可能です。ブランド鶏のせせりなども手に入りやすいです。

業務用スーパー: 大容量パックで販売されていることがあります。

選び方のポイント:

色: 新鮮なせせりは、全体的に鮮やかなピンク色をしています。時間が経つと、くすんだ色になったり、ドリップ(赤い肉汁)が出てきたりするので、そのようなものは避けます。

ツヤとハリ: 表面にツヤがあり、肉にハリがあるものが新鮮です。

ドリップ: パックの底にドリップが溜まっているものは、鮮度が落ちているか、解凍品の可能性があります。ドリップが少ないものを選びましょう。

パックの状態: 空気が多く入って膨らんでいるものは避け、しっかりと密封されているものを選びます。

産地・ブランド: 可能であれば、国産鶏や信頼できるブランド鶏を選ぶと、品質や安全性への安心感が高まります。飼育環境や餌にこだわった鶏肉は、風味も良い傾向があります。

冷凍品の場合: 冷凍状態が良く、霜がたくさん付いていないものを選びます。解凍時にドリップが出にくいものを選ぶのが理想です。

7. せせりの保存方法

せせりは他の鶏肉部位と同様、傷みやすいので、購入後は適切に保存することが重要です。

冷蔵保存:

購入後の処理: パックから取り出し、キッチンペーパーで表面の水分(ドリップ)を丁寧に拭き取ります。

保存方法: 新しいラップでぴったりと包むか、清潔な保存容器(タッパーなど)に入れて、空気に触れないように密閉します。可能であれば、パーシャル室やチルド室など、より低温で保存できる場所に入れます。

保存期間の目安: 購入日を含めて1~2日以内に使い切るのが理想です。生肉は傷みやすいので、早めに調理しましょう。

下味冷凍の下準備: すぐに使わない場合は、下処理をして小分けにし、下味(塩こしょう、酒、醤油など)を付けてから冷蔵保存すると、多少日持ちが延び、調理の手間も省けます。

冷凍保存: すぐに使い切れない場合は、冷凍保存がおすすめです。

下処理: 冷凍する前に、上記で説明した筋や軟骨の除去などの下処理を済ませておくと、解凍後すぐに調理できて便利です。余分な水分もしっかり拭き取ります。

冷凍方法:

1回の調理で使う分量ごとに小分けにします。

空気が入らないようにラップでぴったりと包みます。

さらにフリーザーバッグ(ジップロックなど)に入れ、空気を抜いて口を閉じ、冷凍庫に入れます。金属製のバットなどに乗せて冷凍すると、急速冷凍され品質が保たれやすくなります。

保存期間の目安: 冷凍状態で約2週間~1ヶ月程度が目安です。長期間保存すると冷凍焼け(乾燥や酸化)を起こし、風味や食感が損なわれる可能性があります。

解凍方法:

冷蔵庫解凍: 最もおすすめの方法。使う半日~1日前に冷凍庫から冷蔵庫に移し、ゆっくりと解凍します。ドリップが出にくく、品質を保ちやすいです。

流水解凍: フリーザーバッグに入れたまま、流水に当てて解凍します。比較的短時間で解凍できますが、水温が高いと表面だけ温度が上がりやすいので注意が必要です。

電子レンジの解凍機能: 急いでいる場合に利用できますが、加熱ムラができやすく、部分的に火が通ってしまうことがあるため、最終手段と考えましょう。

再冷凍の禁止: 一度解凍した肉を再冷凍すると、品質が著しく低下し、雑菌も繁殖しやすくなるため、絶対に避けましょう。解凍したら必ず使い切ってください。

8. せせりの人気の理由と背景

せせりがこれほど人気を集めるようになった背景には、いくつかの要因が考えられます。

食感重視のトレンド: 近年、食の世界では「食感」が重要な要素として注目されています。せせりの持つ「プリプリ」「コリコリ」とした独特の弾力は、まさにこのトレンドに合致しており、多くの人々の好みに刺さりました。

焼き鳥屋での定番化: 元々は焼き鳥屋の「通好み」メニューでしたが、その美味しさが口コミで広がり、多くの店で定番メニューとして提供されるようになりました。これにより、一般消費者の認知度も向上しました。

B級グルメ・居酒屋メニューとしての人気: 手頃な価格で満足感が得られるおつまみとして、居酒屋メニューとしても人気を博しました。ビールやハイボールとの相性も抜群です。

家庭料理への浸透: スーパーでの取り扱いが増えたことで、家庭でも手軽に調理できるようになり、普段の食卓に上る機会が増えました。レシピサイトやSNSでも、せせりを使った様々な料理が紹介されています。

希少部位への関心: 他の人とは違う、少し珍しい部位を食べてみたいという消費者の関心も、人気を後押ししている側面があります。ぼんじり(テール)、ハツ(心臓)、ヤゲン軟骨など、他の希少部位と共に、鶏肉の多様な魅力を楽しむ動きが広がっています。

9. 地域による呼び方の違いなど(補足)

前述の通り、「せせり」以外にも「ネック」「首肉」「小肉」といった呼び名が一般的ですが、地域によってはさらに独自の呼び方がある可能性も否定できません。また、「そろばん」という呼び方は、取れた肉の形状がそろばんの珠に似ていることから来ているという説もあります。もし旅先などでメニューにこれらの名前を見かけたら、それは「せせり」のことかもしれません。

10. まとめ

鶏肉の「せせり」は、鶏の首周りのよく動かす筋肉であり、その結果として得られる強い弾力(プリプリ・コリコリ感)と、濃厚な旨味、そして適度なジューシーさを兼ね備えた、非常に魅力的な希少部位です。

下処理に少し手間がかかる場合もありますが、その価値は十分にあります。定番の塩焼きやタレ焼きはもちろん、炒め物、揚げ物、煮物など、様々な調理法でその美味しさを堪能することができます。

かつては専門店の味でしたが、今ではスーパーでも手に入りやすくなり、家庭料理のレパートリーとしても活躍の場を広げています。独特の食感と深い旨味を持つせせりを、ぜひ一度味わってみてください。きっとその魅力の虜になるはずです。